沿線さんぽ

古代から栄えた田原本
平野家ゆかりの町を巡る

田原本は弥生文明が栄えた場所で、近世には平野家が陣屋を築き大いに発展した町。平野家ゆかりの町内を散歩してみた。

平野家 にまつわる名所をめぐる

平野権平長泰ひらのごんべいながやす(1559~1628)

天正11年(1583)、羽柴秀吉が柴田勝家に勝利した「賤ヶ岳の戦い」で功績をあげ、加藤清正や福島正則らとともに「賤ヶ岳の七本槍」として知られた。秀吉から大和国十市郡に五千石の知行を与えられ、田原本は平野氏10代の領地として発展する。

田原本駅

大正12年開業。改札口は東側だけだったが、2009年12月に西口が完成した。

2010年3月、両駅間にターミナルも完成。約150mの歩道を通って乗り換えもラクラク。

西田原本駅

大正7年開業。田原本線の発着駅。平成4年に駅舎が改築された。

田原本陣屋跡

2代目領主の長勝が現在の町役場付近に陣屋を建造。中街道や寺川など水陸交通の要所として「大和の大坂」と呼ばれるほど栄えた。

浄照寺

慶安4年(1651)長勝によって創建。寺内町の支配権争いから退去を命じられた教行寺跡に建てられ、表門は伏見城の城門を移築したものと伝わる。

本誓寺

浄照寺同様、教行寺跡に平野家の菩提寺として長勝によって建立。境内には2代目長勝と9代目長発の霊廟が当時の姿で残る。

津島神社

古くは祇園社と呼ばれ、牛頭天王を祭神とした。江戸時代には平野家も深く信仰し、郷里尾張の津島神社と祭神が同じことから明治に改名。7月に行われる祇園祭は中和最大の規模。

雲水堂

■駅前店
TEL/0744-33-2103
■本 店
TEL/0744-32-2103
営/8:30~19:00
休/水曜

雲水堂の 松風 1/4枚

平野長泰の「日本一の菓子はないか」の命を受け、編み出された巨大せんべい。直径約55cmもあり、1枚ずつ備長炭で手焼きされる。

雲水堂の 権平もなか

9代目領主・長発の所望により作られたもなか。初代長泰の好物だった黒豆を白あんに合わせたものと、粒あんがある。

観光ステーション 磯城の里

田原本町に訪れたらまずコチラ。観光マップやパンフがもらえ、オススメスポットを教えてくれるよ。レンタサイクルもあるので町内丸ごと探訪しよう!
TEL/0744-33-4560
営/10:00~19:00
休/火曜、年末年始

はつ乃家

■駅前店
TEL/0744-33-2103
■本 店
TEL/0744-32-2103
営/8:30~19:00
休/水曜

はつ乃家の 五千石もなか

長泰が与えられた領地、五千石にちなんで命名。北海道産大納言小豆を2日間かけてじっくり手作りした粒あんが好評。

田原本聖救主教会

日本聖公会(英国国教会系)の教会。明治28年に建設され、現会堂は昭和8年に建て替えられたもの。NHKの朝ドラにも使用された。

奈良中央信用金庫 旧本店

聖昭和8年(1933)に建てられた鉄筋コンクリートの2階建てで、アーチ状の窓や飾り窓など、昭和初期の銀行建設の特色を残す。

国史跡 唐古・鍵遺跡

弥生時代を代表する環濠集落。出土した絵画土器をもとに復元された楼閣が遺跡のシンボルに。出土品は、「唐古・鍵考古学ミュージアム」(0744-34-7100)に展示されている。

*この記事は2010年に取材した内容です