沿線さんぽ

そばを奈良から橿原を経て
五條に至る「中街道」が通る

近鉄吉野線 葛駅 周辺

葛駅

大正12年開業、南葛城郡葛村(現御所市戸毛)の最寄駅であったことから葛駅と名付けられた。近くには飛鳥から和歌山へ至る古道があり、それは持統天皇が30数回にわたって吉野へ行幸した「巨勢の道」でもある。

井戸「大師の恵」

水道の普及で使われなくなり濁った水を愁い、清掃作業を始めた御所市議会議長の夢枕に、井戸の上に立つ弘法大師が現れたとか。それを機に、自然の恵みに感謝し、この気持ちを忘れないよう、この井戸を「大師の恵」と命名、地域で守っている。

清九郎御本山薪木献上之像

この地で生まれた妙好人「大和の清九郎さん」の像がある。母を背負っての寺詣り等、孝養の美談と妙好人(信心深い人)としての数々の事蹟が伝えられている。

中街道

古代街道の一つ、奈良から橿原を経て五條に至る街道。当時の面影を残す町並みが続く。万葉歌で知られる巨勢の道でもあり、ハイキングにおすすめ。
 
 

安楽寺塔婆(国重文)

元は三重の塔だったが、1670年代に上層が崩れ、残った初層の上に宝形屋根をのせたもの。

安楽寺

境内から御霊神社までの一帯に、6月上旬から7月上旬にかけて白く可憐な沙羅の花が咲く。
TEL/0745-67-0154

井上天極堂本社

葛駅近くに本社を構える葛の老舗・井上天極堂。

吉野本葛/寒い冬に根を粉砕し水と混ぜ、根に含まれる澱粉を何度もこして作る。葛の根3kgから300gしか採れないため「白い金」とも呼ばれている。

*この記事は2009年に取材した内容です