「能面とネギが降ってきた!」
ユニークな伝承が残る川西町を散策
川西町の玄関口となり、駅周辺には明日香から斑鳩へと続く聖徳太子の通勤路、太子道(筋違道)が通る。能楽観世流の発祥地、面塚などの史跡を巡る。
結崎駅
駅の北西部には結崎工業団地があり、通勤利用や地域住民の足として1日の乗降数は約4,200人。太子道を通る法隆寺や王寺方面へのハイカーの起点としても利用される。夕方からは平端駅から遠隔操作で改札業務に対応する。
川西町の特産品①
結崎ネブカ
冒頭の伝承にも登場した大和野菜。8月中下旬~翌年3月上旬に出荷され県内中心の量販店などで販売。また町内飲食店でもその味を堪能できる。
川西町の特産品②
貝ボタン
国内外の様々なブランドに愛用される川西町の特産品。その生産量は国内トップシェアを誇る。10個からの小ロット購入はネットショップが便利。
面塚
「翁の面とネギが天から降り、その面を埋めたのがこの塚である」という伝承が残る能楽「観世流」発祥地。室町時代に観阿弥が結崎に移り住み、観世流の源流となった猿楽「結崎座」は同地を拠点に活動を行ったといわれる。昭和11年には観世流第24世宗家 観世左近氏の筆による「観世発祥之地」と「面塚」の二つの標石が建てられた。隣接する公園と共に憩いの場として親しまれている。
国史跡 島の山古墳
4世紀末~5世紀初めに造られた全長200メートルもの前方後円墳。平成8年に行われた発掘調査では前方部の埋葬施設から、多数の車輪石や玉類と、3枚の銅鏡が出土した。大王クラスの御陵など諸説あるが、誰の墓かは判明していない。
糸井神社
新春には能楽の奉納が行われるなど、観世流と縁の深い古社。拝殿には数多くの絵馬が飾られ、「太鼓踊り絵馬」「おかげ踊り絵馬」の2点は共に県指定文化財。「太鼓踊り絵馬」は、雨乞い祈願の様子やスイカを切り売りする姿などが描かれ、当時の生活を垣間見ることができる。
TEL/0745-44-0434
※拝殿拝観の際は社務所に声掛けを
※拝殿拝観の際は社務所に声掛けを
比売久波神社・箕輪寺跡
延喜式に記録が残る古社。本殿(県指定文化財)は江戸時代に春日大社の若宮本殿が移築され、拝殿との間には島の山古墳の天井石が踏み石として置かれている。境内西側には、かつての神宮寺箕輪寺跡があり、本尊の十一面観音菩薩立像と大般若経600巻は唐院自治会で管理されている。
油掛地蔵
太子道沿いのお地蔵さん。“できもの”ができた子の母親がこの地蔵に、油をかけて祈っていると完治したという伝承から油掛地蔵の名で親しまれている。またこの地は水害も多く、油で水をはじくという願もかけたとか。
太子道
*この記事は2014年に取材した内容です