沿線さんぽ

近松作品の主人公の出生地を巡る

駅所在地の橿原市新口町は、近松門左衛門の名作とも関係があるらしい。昔ながらの湯葉屋さんや、ケーキ屋さんも巡ってみた。
駅西口のレリーフは新口町壮年会結成20周年を記念して建てられたもの。壮年会は毎年の秋祭りに須賀神社境内で「冥土の飛脚 新ノ口村の段」を上演している。

近松門左衛門の名作「冥途の飛脚」

新口町はモデルとなった主人公・忠兵衛の出生

宝永6年(1709)、大坂淡路町にあった飛脚屋の忠兵衛が、遊女の梅川と恋仲になり通い詰めていた。梅川の身請けのため、店に届けられていた300両に手をつけてしまい、二人は忠兵衛の生まれた大和新口村(現・橿原市新口町)に逃亡。やがて忠兵衛は捕らえられ処刑、梅川は尼となり忠兵衛の菩提を弔ったと言われる。この話を近松門左衛門が脚色して浄瑠璃『冥途の飛脚』になり、後に歌舞伎の『恋飛脚大和往来』にもなった。

新ノ口駅

大正12年開業。平成15年に地下駅舎になり、エレベーターも完備された。平成18年には西口にロータリーも完成。1日の利用客数は4096人(平成20年)。

忠兵衛の供養碑

善福寺境内にある供養碑は、忠兵衛屋敷跡にあった石碑を、明治16年に移したもの。悲恋物語の二人を偲び、芸能関係や各地からの参拝があるという。

梅川忠兵衛供養碑

葛本町の安楽寺にも供養碑が。寺の正門を入って東南の隅にある阿弥陀仏の石碑で、二人の戒名が彫られている。

御菓子司 欣月堂 新口店

恋に生きた二人を表現。桃の果肉と白あんを包んだ和菓子は、ほんのり甘酸っぱい恋の味だよ。

TEL/0744-24-1314
営/9:00~18:00
休/火曜
P/あり

大和・飛鳥湯葉本舗 湯葉久商店

創業昭和元年。昔ながらの製法で、保存料を一切使わず、一枚一枚丹念に手作りされる湯葉は栄養も満点。直売もあり乾燥湯葉ほか、生湯葉(要予約)も購入できる。

TEL/0744-22-4040
営/9:00~17:00 
休/土・日曜、祝日
P/あり

Naffon ナフォン 新ノ口店

シフォンケーキとチーズケーキの専門店。国産小麦と産みたて地卵の無添加シフォンはしっとりふわふわ♪ 素材を生かした甘さ控えめで、季節品含め6種が揃う。

TEL/0744-22-2164
営/9:00~18:00
休/水曜
P/あり ※店内飲食可

MaMa Mitten ママ ミトン

添加物を使わず、高級無塩バターや赤卵など素材にこだわったスイーツが並ぶ。じっくり手作りした濃厚カスタードシューは昼には完売。手間を掛けた品々が魅力だ。

TEL/0744-29-1315
営/10:00~18:00
休/火・水曜
P/あり ※店内飲食可

*この記事は2010年に取材した内容です